台湾 標準登録のガイダンス(正式版)を公布、オープンDBによるデータの受け入れが大幅に拡大
2020-06-16

 台湾「新化学物質及び既存化学物質資料登録弁法」の規定により、2020年1月1日から106種の既存化学物質が優先既存化学物質(PEC)に指定され、2年/3年以内に標準登録を完了する必要があります。

 二回の草案を経て、当局は元々今年の初頭に「新化学物質及び既存化学物質資料登録弁法」の下位ガイダンスの正式版を公布する計画でしたが、コロナの影響で一旦延期せざるを得ませんでした。そしてつい昨日、台湾EPAに属する毒物及び化学物質局は、化学物質登録プラットフォームで「既有化学物資標準登録資料作成ガイダンス第一版」を公布しました。

 116ページに及ぶ今回のガイダンスを一つの記事に解説することは難しいですが、一つ注目されている点をご紹介させていただきます。それは、標準登録に携わった事業者が一番関心をもつであろうデータの入手です。ガイダンスの第五章に、登録人が登録資料を準備する際に推奨される順番が示されています。

  1. 国際的なオープンデータベース;
  2. QSARなどの非試験資料または試験計画書;
  3. 試験データ
  4. 特殊のケースにおいて、当局が指定したその他の資料。

 記述により、国際的なオープンDBによるデータを最優先ソースとして、物理化学特性(5項目)だけではなく、毒物学(6項目)と生態毒性学特性(7項目)のデータも利用できるということになります。去年9月の草案と比べ、受けられる項目の範囲が大幅に拡大したことがわかりました。ガイダンスが示した対象オープンDBは以下の通りです。

  • International Labour Organization International Chemical Safety Cards (ILO ICSC) database
  • International Programme on Chemical Safety (IPCS)
  • International Agency for Research on Cancer (IARC)
    • IARC Monograph
  • World Health Organization (WHO)
  • OECD Screening Information Dataset (OECD SIDS)
  • European Commission (EC) Joint Research Centre
  • European Union Risk Assessment Report (EU RAR)
  • U.S. Environmental Protection Agency (US EPA)
    • CompTox Chemicals Dashboard
    • Integrated Risk Information System (IRIS)
    • ChemView
    • ECOTOX Knowledgebase
  • Agency for Toxic Substances and Disease Registry (ATSDR)
  • National Toxicology Program (NTP)
  • ChemIDplus
  • Chemical Carcinogenesis Research Information System (CCRIS)
  • GENE-TOX Data
  • NITE Chemical Risk Information Platform (NITE-CHRIP)
    • Japan NITE Hazard Assessment Report
    • Japan Chemical Collaborative Knowledge Database (JCHECK)
  • NICNAS-Priority Existing Chemical (PEC) assessment
  • National Industrial Chemicals Notification and Assessment Scheme
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